ここ1年ちょっと映画(DVD)観る量が激減しているのだが、ちょっとずつリハビリしていきたい。
とりあえず溜まった録画を消化していこうと、無作為に選んだのがこちら。
韓国の鬼才ポン・ジュノ初の英語作品ということで注目された『スノーピアサー』。
温暖化阻止計画の失敗で氷の世界となり生物が絶えてしまった地球における唯一の生き残りは、永久機関によって世界中を走り続ける列車「スノーピアサー」に乗った一群の人間達であった。
だが、その列車は車両ごとに階層化され、最後尾の車両には奴隷同然の貧困層が押し込められていた。ある日その中から革命の士が立ち上がる。
先頭車両に待ち受ける「列車=世界」を支配する者を目指して突き進む。
....といった内容。
ええっー、という設定ではあるものの、SFとしてはなかなか魅力的な設定ではあると思う。
ただSFとして成立するためには、設定がいくら奇想天外であってもそれを裏付ける幾多の細かい仕掛けや論理が必要となるわけだが、この映画にはそれらが決定的に足りない。
故にSFとしては認めにくいわけだが、それを補うべく映画的な仕掛けには事欠かず、思いのほか楽しめた。
列車を先頭に向けて突き進むにつれ、植物園だったり、水族館だったり、サウナだったり、学校だったり、車両ごとに役割を持った世界が展開されるところなどは特に好きなところ。
ラストがやや放り投げた感ありではあるものの、そこまでの展開としては妙にハッピーエンドなものを見せられてもシラけるだけなので、適度に希望を持たせるぐらいの結末はちょうど良かったかも。
しまった、ポン・ジュノは『殺人の追憶』だけまだ観てないや。早く観ないとなー。