M-1復活するんだったよなあ、今年。
え、今週末やるの?
ぐらいのテンションで臨んだ6日に放送されたM-1グランプリ2015。
正直、メンツ見てもそれほど盛り上がらず、審査員が歴代M-1王者と聞いてなんだかなあ、とモヤモヤした感覚。
当日は昼の敗者復活の放送はほぼ見られたものの、本番時は外出しており情報を目にしないようにして帰宅後すぐに録画を視聴開始。
ああ、やっぱ松ちゃんおらんのだ、今田上戸コンビが健在で良かったと思いつつ、チャブがいないいびつな歴代王者審査員の顔ぶれを眺める。
独得の雰囲気は辛うじて維持できており、30分ほどかけた番組説明のうちに次第に盛り上がってくるものを感じる。
1.メイプル超合金まったくの初見。存在もほぼ知らなかった。
コブラ野郎カズレーザーの飄々としたキャラが憎めない。彼の自由すぎるボケとふかふか姉ちゃん安藤なつの冷静なツッコミとの不思議なバランスが面白い。
大舞台での余裕も感じさせる仕上がりで感服つかまつった。
2.馬鹿よ貴方は昨年のTHE MANZAIに続いての登場。独得のキャラが光るファラオと困り顔のツッコミが冴える新道の対比がいいコンビ。「大丈夫」の波状攻撃に大爆笑。
3.スーパーマラドーナ何度か見てる筈だが、今回改めて意識した。よく練られたいいネタだし、テンポもいい。ボケた後の鋭いツッコミで笑いがドーンと来るという理想的なパターン。
前半部では個人的に高評価。
4.和牛淡々としたボケに少し古いタイプのツッコミが好対照。二人とも演技力が高いなあ、と感心。そのことが独自の世界観を演出。ここも良い出来だと思った。
ここまで全部面白いじゃん。さすがM-1。ていうか、レベル高いんじゃないか、今大会。
と居ずまいを正して次のコンビに臨む。
5.ジャルジャル知ってるネタだけど完成度高く高得点も納得の出来。何回か見直してもしっかり面白い。仕掛けが強すぎるので、漫才原理主義者からはやや批判があるかも。審査員からは礼二がそんな反応をしていた。
6.銀シャリややフツーのネタかなあ。幾つか細かいボケも滑っていたが勢いがあるので気付きにくいのは良いところ。個人的には意外な高評価だったが、常時の実力が加点されたか、直前のジャルジャルとの対比で得をしたか。
7.ハライチ澤部のノリボケのパターン破ってきたけど、岩井が自分の世界に走りすぎたかなあ。サイコパスにキャラがハマりすぎてちょっと客席が引いた感。オチもよろしくない。細かいボケは面白いんだけど、惜しいなあ。
8.タイムマシーン3号自分は以前からあまりハマってないのだが同様の印象。ツボが違うんだろうから、しょうがない。テンポもいいしわかりやすいから、会場受けがいい。そこら辺はノンスタとかにも通じるんだよなあ。でも、その凄さは単純に認める。
9.敗者復活枠昼の番組を見た限りでは、他にも面白かったコンビはいるし自分が好きなタイプの漫才とは本来違うんだが、
トレンディエンジェルの決勝進出には不満はない。
トレエンはM-1不在の間の「THE MANZAI」で育ったという印象があるので、ここでの勝ち残りはなにか感慨深い。
今田が言ったようにまさに「楽しいマンザイ」だと思う。
正直、昔は苦手だったのだが、見るたびに力をつけてるし、見てて思わず吹き出すようになってきてここ数年はお気に入りのコンビになった。
決勝の三組ではトレエンがネタ的に不利かなあ、と思っていたが見くびっていた。ハゲネタのバリエーションが豊富過ぎる。昼の敗者復活戦から3本続けて見たわけだが全然飽きないわ。
一本目の勢いでそのまま二本目が出来るのは敗者復活枠の有利なところ。ま、両刃の剣でもあるわけだが。
銀シャリの二本目は一本目に比べてかなり良かった。礼二の言う大きなネタの枠があって付録で言葉の遊びがあって欲しいというのにまさに合致したネタだし。ひとつひとつのボケもハマっていた。
ジャルジャルも一本目と攻め方を変えずに来て完成度を保った。この戦略はけして間違ってなかったと思う。見る側もそれを期待していた部分があったろうから。ただどうしても破壊力は初見に比べて欠けてしまう。
結果、高揚感を持続させたトレンディエンジェルが優勝したわけで、自分の評価とはやや異なるのだけども、この形も悪くないかなあと思いつつ満足して見終えた。
終わってTwitterを眺めると、トレエン否定派が多くてやや驚く。ビジュアル的に見慣れないとキツい面も確かにあるし、生理的に受け付けない層も一定の数いそう。
求める笑いが根本的に違うという向きもいるんだろう。それはそれで仕方ない。
しかし審査員がああなったのは苦肉の策なのかなあ、来年どうすんだろ。
一人一人が審査員として悪いワケではけしてないと思うんだけれど、やっぱこのシステムはどうか、と思う。あまり採点の振り幅もなかったよね。実際のウケを重視する傾向があったように思うのは、現役漫才師であるがゆえなのだろうか。
審査員は多少評価がバラけた方が面白いと思う。ひとりひとりの採点が明らかになるシステムだからこそ偏りがあっていいし、そこにドラマも産まれる。もっともあまりのトンデモ採点は困りものだけども。
松本人志カムバックプリーズとやはり思ってしまうのは、彼を絶対視するからというわけではなく、番組としてのバランス(MC今田とのバランスも含め)が安定するからなんだよなあ。
どういういきさつで不参加だったのかは知らないけど、こうなったら来週の「ワイドナショー」とかでチョロチョロっとコメントするのもやめといて欲しいなあ、気分的に。
と、ついつい長くなったけども恒例のM-1感想でした。