元旦の「ワイドナショー」での古市発言が炎上している状況について苦々しく思っている。「ハーフってなんで劣化するの早いんでしょうね?」という発言である。
人種差別だ、というのである。
ハーフというのは人種ではないと思うのだが、それはまあいいとしても「劣化」という最近よくネット上で見かける表現を差別用語として多くの人が認識していることに少しビックリしている。
何を隠そう僕自身も近年くだらないネットニュースに使われているこの「劣化」という表現を苦々しく見ていた一人である。
女優の誰それが久々に人目につくところに出てきたが、あんなにもてはやされた美貌なりが劣化していてどうこうとかいう、ニュースでもなんでもない低俗記事。
「劣化」なんて匿名性甚だしい表現というか、面と向かって人に普通こんなこと言えないよね、というキツい表現である。何目線なの? 何様なの? という感じ。
低俗な記事ならではの、対象をワザと怒らせるイヤミな表現である。
番組上で、古市氏はこの表現を同席していたウエンツ瑛士に向かっていい放ち、さらにこれを「ハーフ一般」にまで押し広めたというのである。
面と向かって言ってしまっており、それが問題発言だと炎上しているのだ。
「ワイドナショー」は欠かさず見ており、番組上での古市氏のポジションとか個性とかもわかっているつもりの自分としては、今回この騒動を知った後で番組の録画を見たのだけれど、正直、番組上期待されている役割をきちんと果たしているなあ、と感じただけであった。
討議の中でそこまでの流れを断ち切って唐突に独自の価値観をボソッと入れてくる古市氏と、周りのメンバーのいつもの処理のやりとりでフツーに笑って見ることができた。
ただ、そんな僕の見方とは関係なく、それまでまったく番組を見てなくて古市憲寿がどういう感じの立ち位置かもわからない人があのシーンを見た時に、それこそ何目線なの? 何様なの? と不快に思う可能性は確かにあると思う。
この場面に限らず、そういう発言はこれまでも往々にしてあり、その「ほころび」こそが彼がこの番組に起用され続けていると思われる理由でもあるわけなのだが、世間の人はそんなこと知る由もないわけで。
バラエティ的な見方において、この発言が番組後半のアクセントになって盛り上がりをつくり、言い放たれた方のウエンツも所謂バラエティでいうところの「おいしそうな顔」をしていた、ということも発言自体を問題視している人には関係のないことなのだろう。
それとは無関係に僕がこの状況に苛立っているのは、彼や番組が誤解されているのがどうこうと思っているからではなく、叩いているひとの大半が実際にこの番組を見たわけでなく、ネットニュースやSNSの拡散に乗っかっているだけではないか、ということにある。
この番組はネットの注目度も高く、毎週のように誰それの発言が「ネットニュース」として拡散されていることに出演陣からも困惑している旨の発言があるほどで、番組内での流れを断ち切った発言の切り取り方が問題視されており、今回もまさにこのケースといえる。
テレビでのやりとりやラジオでのタレントの発言を切り取って記事にするこの風潮を、僕は基本的には苦々しくみている。
ネットニュースと呼ばれる大半のものがこの手の記事に侵されていて、ニュースそのものの品質もそれこそ「劣化」しているような印象がある。
一方、ミニマムな情報という意味においては、この手のテレビ・ラジオを題材にした記事も個人的には助かる部分もあるにはある。
特に個人で開設されているテレビ・ラジオの聞き書きブログの一部は、見逃した聞き逃した番組の内容を知るのにとても便利で重宝している面もある。
ただその聞き書きの質が重要で、かなり詳細に言葉を拾った聞き書きでもニュアンスのようなものがどうしても抜けがちで、日頃その分を差っ引いて読むようにはしている。
ましてややり取りもロクに拾わないようなネットニュースの記事にニュアンスなど期待できる筈もない。
そんなレベルのものに踊らされるのは皆さん軽薄過ぎやしませんか、と思うのである。
それはもう意見、というものではなく、単なる反射、というものが大半だと思っている。
今回の場合、古市憲寿をもともと苦々しく思っておりこの機会に叩こうと思って叩いている人がおり、その周りに、切り取られた部分だけで判断してよくわからずに叩いている大量の人がいるという構造がみえる。
前者に関しては主義志向の話だからどうこういうつもりはないのだが、後者に関してはもっとよく周りを見ようと言いたいのである。
ものを批判するときはまずそのもの自体を見るって基本じゃないの?
本や映画に関してはあたりまえのように語られることが、ことテレビのことになると緩くなるような。それだけ日常に近いということなんだろうか。井戸端化するというか。
それともこれ、そもそもネットニュースとか見ない人が叩いているのか?「劣化」という表現が人についてなされていることを初めて知った層が? それはそれで話は別になるけど。
ここ2、3年、映画観る集中力が衰えており、今年なんか劇場行ったの一度っきりだったので、スターウォーズもさすがに行くには行くだろうけども、まあ、それなりに落ち着いてからかな、と思っていたのだが。
やはり公開日が近づいてくるとソワソワし始め、タマフルの月一SW特集も聴いてはいたけどでもそれ以上の情報はなるべく遮断していたし、ネタバレされる前に観た方がいいかなあ、と思い始め、初日の劇場の席の予約状況をチラ見るに、なんか東京とは違ってガラ空きじゃん、こんなことではいかん、となぜかいきり立って気が付けば9時台の2回目の上映のチケットを確保していたのは今週初め。
まあ、祭りには乗っておきますよ、それがスターウォーズならば。
一応、エピソード4公開時に日本公開を一年待ち焦がれて劇場で観たクチなので(その間、野田昌宏訳のノベライズが出るのも待ち遠しくして読んでしまったりしたっけ)、付き合いは長い。
とはいえ、エピソード1を観たあとしばらくして十数年に渡る映画観ない時期に差し掛かったこともあり、結局2,3は劇場では観なかった。3に至ってはDVDで観たのもつい最近だったりする。
ま、4、5、6を偏愛するよくあるタイプのSWファンですよ。
そんな人間にとって、今作をダメだしすることなど出来ないねえ。
物語世界内の時間経過はもとより、この実世界におけるSWの製作における時間経過が非常にスパイスになっている作品だといえる。
まあ、ツボは押さえているってヤツです。
そのツボをもっとこう、とかいう好みは人それぞれあるとは思うけどね。
とりあえずは満足であります。拍手。
車にはカーナビはつけていない。
以前は地図と首っ引きで知らぬ道を突き進んでいたのだが、iphoneを使うようになってからここ数年はgoogleマップを主に便利に使用している。
ナビモードでは信号のない道を通らせようとして、線路沿いや堤防沿いなどの道を過度に選択しがちという面があり、時にこんなところ通らせるのかという初心者とかにはかなりハードな道をナビをしてきたりするところが逆に気に入っている。
細い道とか結構好きなんで。
そんなgoogleマップだが、夏の終わりぐらいから夜半の画面が暗くなるようになった。それまでYahooカーナビとかでは経験していたので、これがナイトモードというものだということは知っていたのだが、個人的には非常に見づらい。
案内される道そのものはわかるのだが、その道以外は暗く表示されるので自分がいま地図上のどこを走っているのかよくわからなくなるのだ。
基本的には指示された道を走るものの、常に周辺の地図には目を走らせて無理なナビは自分なりに修正して走ったり、途中に用事ができればその方向を探りながら走るわけで、廻りの地図が見えないのは非常に困るのだ。
そこでハッと気付いたのだが、ナビってそういうものなのか、と。
あくまで目的地までのナビゲーションをするためのもので、自分なりの経路を発見するための補助的な役割を担ってくれるわけではないのだよね。
自分の使い方はgoogleマップを地図として使おうとしていたということになる。
徹頭徹尾ナビ通りに運転するってのは性に合わないのよね。
そこまで信用してないし。
だからナイトモードは困る。
だけどこれオフに出来ないらしいんだが。頼むわ。
ソフトバンク光その後。
翌日、サポートに電話。状況を伝えたところ、問題の切り分けをしながら、BBユニットのなんらかの不具合と見なされ、交換処理となった。
電話口にあたった人は状況把握力が高く、無駄な説明を長々としなくても話が通じて大変快調。
NTTのルーター直繋ぎで速度が出ないのは、やはりIPv6絡みの事の由。BBユニットなしでは利用できないらしい。
で、日曜日を挟んで早速新しく設定し直されたBBユニットが送られてきたので接続。
無事、復旧。
速度は25~8Mbps付近を出しているので、まあいいでしょう。
なんかのタイミングで80Mbpsとか出たりしてるけど、それはどんなもんかの。
とりあえず、これで落ちついたとみなす。
あとは、永年付き合ってきたプロバイダのNiftyとお別れすることになる。
パソコン通信時代からだから25年近く使ってきたアカウントも手放すことになる。
メールアカウントもかなり前からgmailにほぼ移行してきたので問題はない。
あとはスマホの方の割引がどんな感じになるのか。改めて割引を申し込まなければならないっぽいけどちょっと様子見。
M-1復活するんだったよなあ、今年。
え、今週末やるの?
ぐらいのテンションで臨んだ6日に放送されたM-1グランプリ2015。
正直、メンツ見てもそれほど盛り上がらず、審査員が歴代M-1王者と聞いてなんだかなあ、とモヤモヤした感覚。
当日は昼の敗者復活の放送はほぼ見られたものの、本番時は外出しており情報を目にしないようにして帰宅後すぐに録画を視聴開始。
ああ、やっぱ松ちゃんおらんのだ、今田上戸コンビが健在で良かったと思いつつ、チャブがいないいびつな歴代王者審査員の顔ぶれを眺める。
独得の雰囲気は辛うじて維持できており、30分ほどかけた番組説明のうちに次第に盛り上がってくるものを感じる。
1.メイプル超合金まったくの初見。存在もほぼ知らなかった。
コブラ野郎カズレーザーの飄々としたキャラが憎めない。彼の自由すぎるボケとふかふか姉ちゃん安藤なつの冷静なツッコミとの不思議なバランスが面白い。
大舞台での余裕も感じさせる仕上がりで感服つかまつった。
2.馬鹿よ貴方は昨年のTHE MANZAIに続いての登場。独得のキャラが光るファラオと困り顔のツッコミが冴える新道の対比がいいコンビ。「大丈夫」の波状攻撃に大爆笑。
3.スーパーマラドーナ何度か見てる筈だが、今回改めて意識した。よく練られたいいネタだし、テンポもいい。ボケた後の鋭いツッコミで笑いがドーンと来るという理想的なパターン。
前半部では個人的に高評価。
4.和牛淡々としたボケに少し古いタイプのツッコミが好対照。二人とも演技力が高いなあ、と感心。そのことが独自の世界観を演出。ここも良い出来だと思った。
ここまで全部面白いじゃん。さすがM-1。ていうか、レベル高いんじゃないか、今大会。
と居ずまいを正して次のコンビに臨む。
5.ジャルジャル知ってるネタだけど完成度高く高得点も納得の出来。何回か見直してもしっかり面白い。仕掛けが強すぎるので、漫才原理主義者からはやや批判があるかも。審査員からは礼二がそんな反応をしていた。
6.銀シャリややフツーのネタかなあ。幾つか細かいボケも滑っていたが勢いがあるので気付きにくいのは良いところ。個人的には意外な高評価だったが、常時の実力が加点されたか、直前のジャルジャルとの対比で得をしたか。
7.ハライチ澤部のノリボケのパターン破ってきたけど、岩井が自分の世界に走りすぎたかなあ。サイコパスにキャラがハマりすぎてちょっと客席が引いた感。オチもよろしくない。細かいボケは面白いんだけど、惜しいなあ。
8.タイムマシーン3号自分は以前からあまりハマってないのだが同様の印象。ツボが違うんだろうから、しょうがない。テンポもいいしわかりやすいから、会場受けがいい。そこら辺はノンスタとかにも通じるんだよなあ。でも、その凄さは単純に認める。
9.敗者復活枠昼の番組を見た限りでは、他にも面白かったコンビはいるし自分が好きなタイプの漫才とは本来違うんだが、
トレンディエンジェルの決勝進出には不満はない。
トレエンはM-1不在の間の「THE MANZAI」で育ったという印象があるので、ここでの勝ち残りはなにか感慨深い。
今田が言ったようにまさに「楽しいマンザイ」だと思う。
正直、昔は苦手だったのだが、見るたびに力をつけてるし、見てて思わず吹き出すようになってきてここ数年はお気に入りのコンビになった。
決勝の三組ではトレエンがネタ的に不利かなあ、と思っていたが見くびっていた。ハゲネタのバリエーションが豊富過ぎる。昼の敗者復活戦から3本続けて見たわけだが全然飽きないわ。
一本目の勢いでそのまま二本目が出来るのは敗者復活枠の有利なところ。ま、両刃の剣でもあるわけだが。
銀シャリの二本目は一本目に比べてかなり良かった。礼二の言う大きなネタの枠があって付録で言葉の遊びがあって欲しいというのにまさに合致したネタだし。ひとつひとつのボケもハマっていた。
ジャルジャルも一本目と攻め方を変えずに来て完成度を保った。この戦略はけして間違ってなかったと思う。見る側もそれを期待していた部分があったろうから。ただどうしても破壊力は初見に比べて欠けてしまう。
結果、高揚感を持続させたトレンディエンジェルが優勝したわけで、自分の評価とはやや異なるのだけども、この形も悪くないかなあと思いつつ満足して見終えた。
終わってTwitterを眺めると、トレエン否定派が多くてやや驚く。ビジュアル的に見慣れないとキツい面も確かにあるし、生理的に受け付けない層も一定の数いそう。
求める笑いが根本的に違うという向きもいるんだろう。それはそれで仕方ない。
しかし審査員がああなったのは苦肉の策なのかなあ、来年どうすんだろ。
一人一人が審査員として悪いワケではけしてないと思うんだけれど、やっぱこのシステムはどうか、と思う。あまり採点の振り幅もなかったよね。実際のウケを重視する傾向があったように思うのは、現役漫才師であるがゆえなのだろうか。
審査員は多少評価がバラけた方が面白いと思う。ひとりひとりの採点が明らかになるシステムだからこそ偏りがあっていいし、そこにドラマも産まれる。もっともあまりのトンデモ採点は困りものだけども。
松本人志カムバックプリーズとやはり思ってしまうのは、彼を絶対視するからというわけではなく、番組としてのバランス(MC今田とのバランスも含め)が安定するからなんだよなあ。
どういういきさつで不参加だったのかは知らないけど、こうなったら来週の「ワイドナショー」とかでチョロチョロっとコメントするのもやめといて欲しいなあ、気分的に。
と、ついつい長くなったけども恒例のM-1感想でした。